劣等生の成長を描く、懐かしくて革新的な“世界救わない”系RPG
『マリーのアトリエ Plus ~ザールブルグの錬金術士~』は、ガストがPSにて発売したシミュレーションRPGのスマホ移植版。
錬金術士を目指して王立魔法学校に通う「マルローネ(マリー)」。愛嬌のある彼女だが、成績は“落ちこぼれ”扱いされるほど悪かった。
「5年以内に成果を上げないと留年」という試練を前に、プレイヤーはどのように日々を過ごすかで7種のマルチEDへと派生。
今や有名JRPGシリーズとなった「アトリエ」の第一作目、20年経っても色褪せない“新感覚”の名に相応しいゲーム性を是非堪能してみよう。
※元は1200円だが、リリース記念セールで3/7までは30%割引価格!追加課金ゼロの落とし切り型で安心。
シミュレーションっぽい基軸とダンジョン探索を合体
本作の時間は有限であり、アイテム生産時・遠方での資源集めなど……何をするにも「日数を消費」していく。
本を読み、新素材を発見し、人々と会話することで「知識」を蓄えると錬成のレパートリーが増え、更に高度なチャレンジも可能に。
そうして請け負ったクエストを達成することでお金を得て、裝備を整え、教材を買い。錬金術師としてグングン腕を上げていくのが目的だ。
錬金でお金を稼ぎ、頼れる仲間を雇おう
アイテム錬成は判定があり、工房(アトリエ)の設備を整えるごとに成功確率がアップ。数日篭もっての作業だから失敗するとイタイ。
また主人公はフツーの女の子であり、序盤の探索時には冒険者を雇用しないとザコにすら余裕で負けてしまう。
繰り返しお供してもらえば友好度が高まり、イベントも発生するが、毎回貴重な賃金が必要なのでバランスを考える必要がある。
『マリーのアトリエ Plus』は冒険を捨てたからこそ新たな面白さが生まれた
“世界を救うのはもうやめた”。「FF7」をはじめに王道RPGが盛り上がっていた1997年当時、ゲーム界を震撼させたキャッチコピーである。
言葉通り、本作は少女1人の物語。片田舎の城下町を拠点として終始現実的なスケールで進行していく。時空を超えて神々と闘ったりはしない。
序盤の流れも地味。安全な森でひたすら採取、敵は逃げるのが安定。戦闘よりもコツコツとした作業&錬金術でのクエスト達成がメイン。
基本は同じことの繰り返し=地道な努力が必要だけど、「5年間の制約」と「どの道筋を辿るか」の2点が、何をしてもOKのステキな自由度を演出している。
テンポの良さが周回プレイを促進、何度でも遊べるように
時間の単位は1日。つまり5年=1825コマもあるから長そうに思えるが、一回の遠征で50日滞在したり、寝て過ごせばアッという間など結構自由に動かせる。
つまり数分で終わるEDもあれば、緻密なスケジュールを組んで数十時間やり込み、ようやく到達するEDもある。様々なロールでの周回プレイが前提。
超レアな素材を集めて極上品をクリエイトしたり、病弱な親友を大切にしたり、時には戦闘特化で汚名返上のゴリラ無双とか。
やってることは作業的でも、僅かな変化を楽しみ、無数の可能性を探り、選ぶのはアナタ。これって理想的なゲーム性の1つじゃありませんこと?
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